【10月18日 AFP】ニュージーランドで17日、総選挙が行われ、ジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相(40)率いる労働党が圧勝した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策での成功実績を生かし、前例のない過半数の支持を勝ち取ったアーダーン首相は、進歩的改革を行う任務が与えられたと述べている。

 世界的な新型コロナ流行による激動の中で国政を率いたアーダーン氏が党首を務める中道左派の労働党は、得票率49%で120議席中64議席を獲得。歓声を上げる支持者らに対しアーダーン氏は、「私たちに票を投じ、ニュージーランドの復興を先導し続けるためにわれわれを信じてくれた多くの人々に感謝しています」と述べた。

 アーダーン氏はこの選挙を「COVID選挙」と呼び、自身の政権が新型コロナウイルスの市中感染を根絶させたとして選挙運動を繰り広げた。人口約500万人の同国では、コロナ感染による死者がたった25人しか出ていない。

 2017年の総選挙で予想外の勝利を収めたアーダーン氏にとって、新型コロナの流行は、苦難の多かった1期目で指導力を試された数々の緊急事態の一つに数えられる。

 昨年3月に、南島(South Island)クライストチャーチ(Christchurch)のモスク(イスラム礼拝所)で発生した白人至上主義者による銃乱射でイスラム教徒51人が死亡した事件では、アーダーン氏は被害者への共感を示すとともに、断固たる銃規制を行った。

 さらに昨年12月に、21人が死亡し多数が重症のやけどを負ったホワイト島(White Island、マオリ名:ファカアリ、Whakaari)での火山噴火で同国に衝撃が走った際も、アーダーン氏は国民を励まし続けた。

 17日の選挙結果により、労働党は1996年に比例代表選挙制度が導入されて以降、単独過半数を得た初の政党となった。また同党としては、第2次世界大戦(World War II)後で最大の勝利となった。(c)AFP/Neil SANDS