キウイ・羊毛刈り・スクラブル、NZについて知っておきたい5つのこと
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【10月17日 AFP】17日に投開票されるニュージーランドの総選挙では、新型コロナウイルス危機に見事に対応したジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相の2期目続投が予想されている。
人口500万人、羊2700万匹を抱えるニュージーランドについて、知っておきたい5つの事柄を以下にまとめた。
■スクラブルの超人
ニュージーランド人のナイジェル・リチャーズ(Nigel Richards)さん(53)は、文字が書かれたコマをボード上に並べて単語をつくり、得点を競うワードゲーム「スクラブル(Scrabble)」の文句なしの最優秀プレーヤーだ。世界選手権で5回の優勝を果たした上、フランス語を話さないにもかかわらず、フランス語のスクラブルでもタイトルを獲得している。
リチャーズさんは2015年、ベルギー・ブリュッセルで開催された大会に、スクラブルの仏語公式辞書をほぼ丸ごと記憶して参加。まさかの勝利でライバルたちを仰天させた。だが、観客に感謝を述べる際には通訳が必要だった。
マレーシア在住のリチャーズさんは、いささか皮肉だが寡黙なことで知られ、人前に姿を見せたりインタビューに応じたりすることはめったになく、スポットライトを浴びることを避けている。
■そのロゴでは飛べない?
ニュージーランドの国鳥キウイは、臆病で、飛ぶことができず、やや間が抜けていることで知られる。
だが、NZ空軍機のロゴには1970年以降、空軍の象徴とは全く縁遠そうなこの地上性の鳥が立っている。
NZ空軍は先月、この問題についてツイッター(Twitter)に「飛べない鳥、キウイがなぜわれわれのロゴなのか?」と投稿。「1970年の採用にあたり、明確に識別でき、かつ国民を代表するロゴを求めていたときに大きな役割を果たしたのは、NZ国民だ」と説明した。
■コロナ下のカリフラワー騒ぎ
今年、新型コロナウイルス流行の影響で厳しいロックダウン(都市封鎖)が実施された際、国民をいら立たせた一番の問題はカリフラワーだった。ニュージーランドで大変人気のあるこの野菜の価格を、青果物店がつり上げているという疑惑が生じたのだ。
この騒ぎにアーダーン首相も巻き込まれた。アーダーン氏は定例会見で、ずらりと並ぶカメラを見つめながら「国民の皆さんには、私たちがこの苦情を真剣に受け止めていることをお伝えしたい」と真顔で語った。
ロックダウン解除後、カリフラワーの在庫は補充され、NZ国民は大好きなカリフラワーの価格についてやきもきする必要がなくなった。
■羊毛刈りの天才
NZでは、羊毛刈りは正統なスポーツとみなされている。五輪の競技に入れようと働きかける動きさえある。
ニュージーランド農民連盟(Federated Farmers of New Zealand)によると、トップクラスの毛刈り職人は1分間に羊2匹の毛を刈り、その作業を何時間も続けることができる。毛刈り職人は「あらゆる点でアスリートなのだ」。
■高校で核実験?
1945年に制定されたニュージーランドの原子力法(Atomic Energy Act)には、高等学校はウラン1ポンド(0.45キロ)を所有できるとする不可解な条項がある。この法律によれば、高校は放射性物質を「授業および研究目的で使用」できるとされている。
だが、生徒たちが核兵器を製造しようとしても、NZは何十年も前に非核兵器地帯宣言をしているため、ウランは手に入らない。
NZ教育省はウランを貯蔵している学校が存在するのかどうかも、そもそもなぜそんな奇妙な条項が残っているのかも解明できていない。(c)AFP/Neil SANDS