【10月16日 AFP】今月初めに行われた議会選後、混乱が続いている中央アジアの旧ソ連構成国、キルギスで、首相指名が承認されたばかりのサドウイル・ジャパロフ(Sadyr Japarov)氏は15日、大統領権限が自身に委譲されたと宣言した。これに先立ち同日、ソオロンバイ・ジェエンベコフ(Sooronbai Jeenbekov)大統領は辞任を表明していた。

 ジャパロフ氏はジェエンベコフ氏の辞任表明と議会議長の大統領代行就任拒否を受けて、歓喜する支持者らを前に「大統領・首相の両権限が私に委譲された」と表明。首相府前に集まった支持者らに「あなた方の勝利を祝福する。きょう、すべてがうまくいった」と述べた。

 キルギスでは4日に議会選が行われ、大統領に近い2政党が圧勝したものの、野党は票の買収があったと主張。これを受けて抗議デモが起きた。選挙結果は後に無効とされたが混乱は収まらず、1200人余りが負傷、1人が死亡した。

 ジェエンベコフ氏は14日にジャパロフ氏を首相に指名し、事態の鎮静化を図ろうとしたが、辞任を表明。流血の事態を回避するためと説明した。大統領府付近では同氏の辞任を求め、ジャパロフ氏の支持者数百人が集会を開いていた。同国で大統領が辞任する政変は2005年以降3度目。(c)AFP/Tolkun Namatbayeva, with Christopher Rickleton in Almaty