【10月15日 AFP】スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん(17)は14日、今週末に開かれる欧州連合(EU)首脳会議で二酸化炭素(CO2)排出削減目標を引き上げるため、「できる限り手を尽くす」ようEU首脳に求めた。

 トゥンベリさんはAFPとのビデオインタビューの中で、「これまでに提案・推進されてきたことがどれも科学に従っていないのは言うまでもないが、それでも(2015年に採択された地球温暖化対策の国際的な枠組み『パリ協定(Paris Agreement)』の枠組みの中で)すると約束したことに全力を注ぎ、できる限り手を尽くすようEU首脳に求めていく」と語った。

 EU首脳は2030年の温室効果ガス削減目標について、年内に合意しなければならないが、欧州委員会(European Commission)は温室効果ガス削減目標を1990年比で55%減にすべきと提案。従来の40%減から引き上げようとしている。EUの最終目標は、CO2排出量と吸収量を同じにし、実質ゼロとするカーボンニュートラルを2050年までに実現することだ。

 フランス、スペイン、オランダを含む加盟11か国は14日、2030年までに温室効果ガスを「少なくとも55%」削減する案を支持した。しかし、現在EU理事会の議長国を務めるドイツが全会一致での決定を強く希望しているにもかかわらず、石炭依存度が極めて高いポーランドをはじめとする東欧の加盟国の多くは消極的だ。

 トゥンベリさんは、「一部の国々が先導者で、一部の国々が悪者という見方がある。しかし、私たちが目を向けなければならないのは、先導者と見なされている国々でさえも、十分にやっていると言うには信じられないくらいほど遠いということだ」と語った。

 気候変動対策に取り組む慈善団体は、パリ協定で合意された気温上昇を2度未満に抑えるという目標を達成するには、EUの温室効果ガス削減目標は55%減どころか60%減でも不十分だと警告している。

 トゥンベリさんは、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領のような首脳には、「生かすべき途方もないチャンスと果たすべき責任がある」と述べた上で、「彼(マクロン氏)のような人々がチャンスを生かさず、フランスのような国々でさえ責任を果たさないなら、どうして中国やインドのような国々が約束を守ると期待できるのか?」と訴えた。(c)AFP