【10月14日 AFP】ジロ・デ・イタリア(Giro d’Italia 2020)は13日、第10ステージ(ランチャーノからトルトレート、177キロメートル)が行われ、ボーラ・ハンスグローエ(Bora Hansgrohe)のペーター・サガン(Peter Sagan、スロバキア)が久しぶりの優勝を飾った。

 新型コロナウイルス検査で陽性反応が出て、ミッチェルトン・スコット(Mitchelton-Scottramp)とチーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)の2チームが大会から撤退する中、サガンがスタイルを発揮して単独での逃げを成功させた。

 UCIロード世界選手権大会(UCI Road World Championships)で三つのタイトルを獲得し、集団の中でも特に実績豊富なサガンだが、勝利は昨年のツール・ド・フランス(2019 Tour de France)第5ステージ以来だった。圧勝を収めたサガンは「やっと取れたよ。自分のスタイルで勝ち、面白いレースも見せられた」とコメントした。

 ジロでは12日の休養日に行った検査で、昨季のツール総合3位であるユンボ・ビスマのステーフェン・クラウスヴァイク(Steven Kruijswijk、オランダ)、チーム・サンウェブ(Team Sunweb)のマイケル・マシューズ(Michael Matthews、オーストラリア)の選手2人を含めた複数チームの計8人から陽性反応が出て、ユンボ・ビスマ、さらにはエースのサイモン・イェーツ(Simon Yates、英国)が新型ウイルス陽性ですでに棄権していたミッチェルトン・スコットが荷物をまとめた。

 チーム数が20に減る中で、25日のミラノ(Milan)でのフィニッシュまで大会はまだ2週間近く残っており、レースの続行にも暗雲が垂れ込めている。先日のツールでは大会ディレクターのクリスティアン・プリュドム(Christian Prudhomme)氏と4チームのスタッフ1人ずつが陽性になったが、選手の陽性はなかった。

 そうした中で、サガンの勝利は大会を元気づけた。序盤から先頭でレースを引っ張ったサガンは、ゴールまで12キロメートルで残りの逃げ集団を振り切ると、最後はUTE(UAE TEAM EMIRATES)のブランドン・マクナルティ(Brandon McNulty、米国)に19秒差、総合首位のマリア・ローザ(ピンクジャージー)を保持するドゥクーニンク・クイックステップ(Deceuninck Quick Step)のジョアン・アルメイダ(Joao Almeida、ポルトガル)に23秒差をつけてフィニッシュラインを切った。

 総合2位につけるチーム・サンウェブのウィルコ・ケルダーマン(Wilco Kelderman、オランダ)との差を4秒広げ、34秒としたアルメイダは「良い一日だった」と喜んだ。(c)AFP/Jean MONTOIS