【10月14日 AFP】アゼルバイジャンとアルメニアは13日、各国が係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)をめぐる停戦合意を順守するよう求めているにもかかわらず、再び交戦した。国際赤十字(IRC)は一連の衝突で、すでに数十万人が影響を受けたと警鐘を鳴らしている。

 米国のマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官は、アゼルバイジャンとアルメニアに対し、4日前にロシア・モスクワで合意されたばかりの停戦を順守するよう呼び掛けた。主要国は、直ちに手を打たなければ、「破滅的結末」になると警鐘を鳴らし、紛争解決を目指している。

 アゼルバイジャンとアルメニアの統計をまとめると、戦闘が始まってからの2週間超で、民間人73人を含む約600人が死亡した。

 IRCでユーラシア事業の責任者を務めるマーティン・シュエップ(Martin Schuepp)氏は、「市民は死んだり、人生が変わるようなけがをしたりしている」「住宅や商店、かつてにぎわっていた街ががれきと化している」と述べた。

 シュエップ氏によると、医療は負担にさらされ、時には攻撃を受けることさえあり、ナゴルノカラバフの数十万人に影響が出ているという。

 ナゴルノカラバフを実効支配するアルメニア人勢力は、同地域の南部と北部、北東部で攻勢を開始したとして、アゼルバイジャンを非難している。

 一方、アゼルバイジャンはナゴルノカラバフ近隣の自国領、ゴランボイ(Goranboy)、タルタル(Terter)、アグダム(Agdam)地区への爆撃を開始したとして、アルメニアを非難している。

 AFP特派員は前線に近いタルタルで、爆撃音を聞き、アゼルバイジャン側のロケット砲の移動式発射台が通過するのを見たと伝えた。(c)AFP/Dmitry ZAKS and Aris MESSINIS in Stepanakert