【10月12日 AFP】ロードレース世界選手権(WGP 2020)第10戦、フランスGPは11日、MotoGPクラス決勝が行われ、ドゥカティ(Ducati Team)のダニロ・ペトルッチ(Danilo Petrucci、イタリア)が、レプソル・ホンダ(Repsol Honda)の新人アレックス・マルケス(Alex Marquez、スペイン)を抑え、雨の影響を受けたレースを制して優勝を飾った。

 仏ルマン(Le Mans)のブガッティ・サーキット(Bugatti Circuit)に入場を許可された5000人の地元ファンから声援を受けたペトロナス・ヤマハSRT(Petronas Yamaha SRT)のファビオ・クアルタラロ(Fabio Quartararo、フランス)はポールポジションから苦しみながらも9位でフィニッシュ。

 この日11位に終わったチーム・スズキ・エクスター(Team SUZUKI ECSTAR)のジョアン・ミル(Joan Mir、スペイン)と総合優勝を争う中で、そのリードを2ポイント広げて10ポイントとした。

 29歳のペトルッチは、MotoGP通算146戦目にしてようやく2勝目。今シーズンのMotoGPは、新型コロナウイルスの影響を受けながらここまで9戦が終わり、ペトルッチが7人目の優勝者となった。

 来季はレッドブルKTMテック3(Red Bull KTM Tech 3)に移籍することになっているペトルッチは、「信じられない! 自分が今どうやってのけたのか分からない」と笑顔を見せ、「ずっとこの勝利を待ち望んでいた。雨が降ってきた時は『無理だろう』と思ったけど、僕はいつもウエットコンディションが得意だ」と話した。

 6度のMotoGP制覇を誇るレプソル・ホンダのマルク・マルケス(Marc Marquez、スペイン)が、次週のアラゴンGPでの復帰をささやかれている中、この日は弟のアレックスが見事な走りでペトルッチを最後まで追いかけ、自身初の表彰台を獲得。ホンダの今季初勝利にも迫った。

 スタート直前に雨が降ったことで選手たちは難しいレースを強いられ、モンスターエナジー・ヤマハ(Monster Energy Yamaha)のバレンティーノ・ロッシ(Valentino Rossi、イタリア)は、開幕ラップのターン3で転倒し脱落。他にも先頭を争っていたスズキのアレックス・リンス(Alex Rins、スペイン)らがリタイアとなった。

 そうした中でペトルッチはコンディションを完璧に攻略し、残り9周で同僚のアンドレア・ドビツィオーゾ(Andrea Dovizioso、イタリア)に抜かれたひやりとする場面を除き、常に主導権を握っているようにみえた。

 今季のMotoGPは残り5戦となる中、クアルタラロが115ポイントで総合首位に立ち、ミルが105ポイントで2位、ドビツィオーゾが97ポイントで3位につけている。(c)AFP