【10月11日 AFP】気候変動の危機に立ち向かうために結集と団結を呼び掛けることを目的としたTEDトーク(TED Talks)のイベント「カウントダウン(Countdown)」が10日、無料ストリーミング配信の形式で行われ、英国のウィリアム王子(Prince William)やローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis)のほか、各国の環境活動家、アーティスト、セレブリティー、政治家らが参加した。

 冒頭、ウィリアム王子はビデオメッセージで「私たちの世代が共有する目標は明白だ」「みんなが一緒になって自然の保護と回復、空気の浄化、海洋の蘇生に取り組み、廃棄物のない世界を構築して環境を修復しなければならない」と述べた。

 フランシスコ教皇は人々に団結と地球保護を訴えるとともに、「ご存じの通り、私たちは困難な課題を伴う歴史的瞬間を生きている」「世界は新型コロナウイルスの感染拡大により動揺しており、このことは社会環境的危機という、より大きな課題を浮き彫りにしている」と指摘。

 そして「地球を生かし、育み、養い、保護しなければならない」「オレンジのように絞り続けることはできない」と訴えた。

 また、イベントでは環境破壊が社会や人種の不平等を悪化させている問題も取り上げられた。

 英国のデービッド・ラミー(David Lammy)議員は、「黒人は他の人種よりも有害な空気を吸っている。気候変動による最大の被害者は有色人種だ」と指摘し、「このことは『Black Lives Matter(黒人の命は大切)』のスローガン、『息ができない』にまったく違う意味を与えている」と述べた。

 ラミー氏は、気候・社会問題の解決に力を入れている指導者らに協力を呼び掛けるとともに、「自然への残酷な行為」を取り締まる新たな国際法「エコサイド(環境破壊)」法の制定を求めた。(c)AFP