【10月12日 AFP】米野生生物管理当局は、気候変動の影響を理由に保護対象とする予定だった、雪の中に生息する希少なイタチ科の動物クズリについて、かつて考えられていたほどのリスクがないとして、この保護提案を撤回する方針を示した。

 クズリは雪の中に巣をつくって子どもを育てるため、気候変動のリスクにさらされていると考えられている。

 しかし内務省の魚類野生生物局(FWS)は8日、2016~17年にクズリの姿が自動撮影カメラによって86回捉えられ、体毛のサンプルも157本採取されたとして、そこまで数が減っているわけではないと判断したと発表した。とはいえ、個体数の推定には至っていない。

 環境保護団体はこれに反発し、政府を相手取って提訴する構えを示している。活動家の一人は、「同局は遠隔カメラで1年間写真を撮っただけで、複数のクズリがいたのか、それとも同じ1匹が歩き回っていただけなのかさえ把握していない」と指摘している。

 今回の保護撤回について、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権の気候変動否定論の結果だと非難している保護団体は、米本土で300匹前後と推定されているクズリを守るには、追加措置がどうしても必要だと訴えている。(c)AFP