【10月9日 AFP】男子テニス、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)のコーチを務めるカルロス・モヤ(Carlos Moya)氏は、9日の全仏オープン(French Open 2020)準決勝を前にナダルが対戦相手のディエゴ・シュワルツマン(Diego Schwartzman、アルゼンチン)を警戒していると認めながらも、同選手は12回優勝しているローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)でさらに歴史をつくるだろうと話した。

 現役時代には世界ランク1位まで上り詰め、全仏では1998年に優勝しているモヤ氏は、「ラファはラファだ。ここはローラン・ギャロス、そしてコート・フィリップ・シャトリエ(Court Philippe-Chatrier)であり、われわれは歴史を築き続けなければならない」と語った。

 約3週間前のイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2020)では、世界ランク14位のシュワルツマンが四大大会(グランドスラム)通算19勝を誇るナダルに初めて勝利。今大会では決勝進出を懸けて、両者が再び対決することになった。

 モヤ氏はシュワルツマンについて、「ローマ大会(イタリア国際)まではずっと倒してきた相手だが、彼は大いにリスペクトすべき選手だ。常にやりにくい相手だった」とすると、「今や彼の士気は上がっている。以前はラファを苦手としていた厳しい時期があった。おそらく今は前ほどためらいもないだろう」と述べた。

 ローラン・ギャロスでは2018年の準々決勝でも対戦したことがあり、雨天順延を挟んだこの一戦は4セットの末にナダルが勝利を収めた。しかし、シュワルツマンは先月のイタリア国際で、10回目の挑戦にしてついにナダルを撃破した。

「ラファはあの試合で問題にうまく対処できず、シュワルツマンがその隙を突いた」「このレベルの対戦相手との試合ではそうなる。自分が良いプレーをせず、相手が良ければ必ず負ける」

 ナダルは全仏にこれまで16回出場し、通算成績98勝2敗の驚異的な数字を誇っている。今大会でも、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)と激突する可能性が高い11日の決勝に向けて順調に勝ち上がっている。

 しかしながら、シュワルツマンは先日の準々決勝で全米オープン(US Open Tennis Championships 2020)覇者のドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)をフルセットの末に撃破し、侮れない相手であることを示した。ティエムは全仏で昨年まで2年連続で、ナダルに次ぐ準優勝を果たしている。

 モヤ氏は、「まずは良いプレーをすること。それができたら、作戦が一つ二つと使えるようになる」「われわれのやりたいことははっきりしているが、シュワルツマンがそれを実現させてくれるかどうかは、やってみなければ分からない」と語った。(c)AFP