【10月9日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2020)は8日、女子シングルス準決勝が行われ、19歳のイガ・シフィオンテク(Iga Swiatek、ポーランド)は6-2、6-1で予選勝者のナディア・ポドロスカ(Nadia Podoroska、アルゼンチン)に圧勝し、ポーランド勢では大会81年ぶりの決勝進出を果たした。

 シフィオンテクは今大会1セットも落とさぬまま10日の決勝に駒を進め、もう一つの準決勝で通算2度のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)制覇を誇る第7シードのペトラ・クビトバ(Petra Kvitova、チェコ)を破った第4シードのソフィア・ケニン(Sofia Kenin、米国)とタイトルを懸けて戦うことになった。

 試合後には、「現実とは思えない」「ここでこれほど良いプレーができるなんて初めは思ってもいなかったけれど、ずっと確信していたのは、四大大会(グランドスラム)の決勝に進めるとしたらそれは全仏オープンだということ」とすると、「本当に信じられない」「夢が現実になっている」と喜んだ。

 世界ランク54位のシフィオンテクは今大会の決勝進出で、ポーランド勢としては1939年のローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)で準優勝を果たしたヤドウィガ・イェンジェヨフスカ(Jadwiga Jedrzejowska)氏と肩を並べる快挙を成し遂げた。

 また、オープン化以降に同国の女子選手がグランドスラムの決勝に到達するのは、2012年のウィンブルドンでのアニエスカ・ラドワンスカ(Agnieszka Radwanska)に続いて2人目。全仏の女子シングルスでノーシードの選手がファイナリストになるのはシフィオンテクで史上7人目となるが、過去6人のうちトロフィーを掲げたのは2017年大会のエレナ・オスタペンコ(Jelena Ostapenko、ラトビア)しかいない。

 今大会では23ゲームしか落とさずに決勝まで到達したシフィオンテクは、「とにかく、1回戦のつもりでこの試合に臨みたかった。重圧になるので準決勝だということは考えたくなかった」とコメント。全仏で1セットも失うことなくタイトルを獲得したのは、2007年大会のジュスティーヌ・エナン(Justine Henin)が最後となっている。

「ここまで簡単に勝ち上がってきたとはいえ、これまでとは違うもっと高いレベルで戦う必要がある」と気を引き締めたシフィオンテクは、過去一度も対戦したことがないケニンについて、「素晴らしい選手だから、自分は特に期待されていない。勝っても負けても気にしない。自分にとって最高のテニスをするだけ」と語った。

 一方のポドロスカは、近代の全仏では最も低い世界ランキング131位で準決勝まで勝ち上がった。また、同大会の女子シングルスで予選勝者がベスト4入りするのは、これが史上初の快挙だった。

 これまでグランドスラムの本戦では1勝もしていなかった中で、大会後には自己ベストの世界48位に飛躍するポドロスカは、「もちろんランキングが上がることで、出場する大会も違ってくるだろうけれど、人生は変わらない」「これからも自分は同じ。この数年間ずっとやってきたように、プレーを向上させる努力を続けていく」と語った。(c)AFP/Martyn WOOD