【10月9日 AFP】欧州で新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、各国政府が懸命に対応する中、スペインの裁判所は8日、首都マドリードのロックダウン(都市封鎖)を認めない判断を下した。一方、フランスは、新たに4都市の新型ウイルス警戒レベルを最高に引き上げた。

 欧州の主要各都市がここ数日、夜間外出禁止令を厳格化したり、バーやカフェの完全休業を命じたりする中、オーストリアとポーランドは、マスク着用などに関する規則を強化した。

 フランスは7日、1日の新規感染者数としては過去最多となる1万8746人を記録。リール(Lille)、リヨン(Lyon)、グルノーブル(Grenoble)、サンテティエンヌ(Saint-Etienne)の4都市で新型ウイルス警戒レベルを最高に引き上げた。既に最高に引き上げられているパリとエクスマルセイユ(Aix-Marseille)同様、全てのバーの営業を禁止し、レストランの営業にはより厳しい制限を課す。

 感染者数は欧州全土で増えており、新型ウイルス危機への対応を称賛されていたドイツでも、4月以降初めて1日の新規感染者が4000人を超えた。

 スペインでは、裁判所がロックダウン命令を認めないと判断したことで、新型ウイルス対策が混乱に陥った。裁判所はロックダウンを認めない理由について、保健政策は地方自治体に委ねられているため、保健省の権限外だと説明している。

 裁判所の決定にもかかわらず、スペイン当局は元の軌道に戻そうと急いでおり、国民の祝日、イスパニアデー(National Day)に伴う連休が近づく中、住民にマドリードから出ないよう呼び掛けた。しかし、呼び掛けに従わない人に罰金を科す法的根拠はなく、実効性はない。(c)AFP/Hazel Ward with AFP bureaus