【10月7日 AFP】米テキサス州タイラー(Tyler)郡の検察当局が、少女を過剰に性的対象とし、子どもをみだらに描いているフランス映画『キューティーズ!(Cuties)』を配信したとして、動画配信大手米ネットフリックス(Netflix)を起訴したことが6日、明らかになった。9月中旬から、ネットフリックスに対する大陪審の審査が開始されていた。

 フランス・パリに住む11歳の少女アミを描いた映画は、セネガル系フランス人マイムナ・ドゥクレ(Maimouna Doucoure)氏が監督したもので、9月上旬にオンライン配信された。

 映画の中で、近所に住む3人の少女が結成したダンスグループに加わった同じくセネガル系フランス人のアミは、他の少女たちと共に時折、挑発的なダンスを踊っている。

 タイラー郡の大陪審は、ネットフリックスが「全身または体の一部が衣服に覆われていない子ども、あるいは衣服に覆われている子どもの性器または恥部をわいせつに見せる」ことを禁じる法律に違反したとして、起訴を決めた。

 有罪となった場合、実刑を科される可能性があるが、専門家らはネットフリックスに対しては、実際には罰金と配信停止を命じる可能性が高いと指摘している。

 ネットフリックスは映画を擁護する立場を取っている。同社の広報担当者はAFPに対し、作品は「少女を性的対象として見ることを社会的に論じたもの」だと述べた。

 物議を醸しているこの映画は、政治利用もされている。共和党は大統領選でテキサス州の保守票を獲得するため利用しており、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の選挙対策チームは、伝統的キリスト教的価値観の共和党と、よりリベラルで因習打破のイメージの民主党を対比させる手段としてこの映画を取り上げようとしている。(c)AFP