【10月6日 AFP】カナダ政府は5日、シリアにあるイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」戦闘員の家族らが暮らすキャンプに収容されていた孤児のカナダ人少女(5)を引き取ると発表した。同国政府が、カナダ国籍のIS戦闘員家族を引き取るのは初めて。

 アミラちゃんの引き取りについてジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相は、「今回の状況は、近しい家族が一切いなくなった孤児に対する特例であると認識しなければならない」との見解を示した。

 シリア北東部のキャンプには今もカナダ人約50人が収容されており、その約半数を子どもが占めるが、トルドー氏は「他のカナダ人に対して同様の措置を取る計画はない」と述べた。

 欧米諸国と同盟関係にあり、ISとシリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権と対立するクルド人部隊がこうしたキャンプを管理しており、複数の国がキャンプから解放された自国民を引き取っている。

 アミラちゃんのおじは、カナダ政府に引き取りを求めて法的手段を取っていた。

 カナダのメディアによると、シリア生まれのアミラちゃんは、ISの「カリフ制国家」が崩壊する前の2019年に、戦闘員の両親と兄弟を空爆で亡くした。

 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)によると、アミラちゃんはアルホル(Al-Hol)避難民キャンプに収容されていたという。(c)AFP