獣医師が動物園当局トップを射殺し自殺、行方不明のシカ調査が原因か タイ
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【10月7日 AFP】タイ警察は先週、動物園から希少なアルビノ(先天性色素欠乏症)のホエジカが行方不明になった問題を調査していた動物園管理当局のトップが射殺され、撃った獣医師も自殺したと明らかにした。
このホエジカを飼育していたソンクラー動物園(Songkhla Zoo)は、シカはニシキヘビに食べられたと説明していた。だが、ワラーウット・シンラパアーチャ(Varawut Silpa-archa)天然資源・環境相はこの説明をはねつけ、先週、調査を命じた。
シカが最後に目撃されたのは8か月前で、当局はシカが盗まれた可能性についても調べを進めていた。
調査を主導していた天然資源・環境省が所管するタイ動物園機構(Zoological Park Organisation of Thailand)のトップ、スリヤー・セーンポン(Suriya Sangpong)氏(58)は3日、ソンクラー動物園の職員と話し合うためソンクラーを訪問していた。
ソンクラー警察によると、スリヤー氏は同日午前11時半(日本時間午後1時半)ごろ、同動物園の事務所で園住み込みの獣医師の男に撃たれて死亡した。
警察によると、男はシカの調査中に異動を命じられ、ストレスを抱えていた。男はスリヤー氏を殺害した約1時間後に自殺したという。
天然資源・環境省のジャトゥポン・ブルッサパット(Jatuporn Buruspat)事務次官はAFPの取材に対し、獣医師の男とスリヤー氏は古い友人で、共に南部出身だったと話した。
タイ動物園機構は、引き続きシカの行方を調査するとしている。
いなくなったシカは昨年12月に生まれ、「スノー(Snow)」と名付けられ、タイの王太后に贈られたシカと血縁があった。(c)AFP/Lisa MARTIN