【10月6日 AFP】ジロ・デ・イタリア(Giro d’Italia 2020)は5日、第3ステージ(エンナからエトナ、150キロメートル)が行われ、EFプロサイクリング(EF Pro Cycling)のホナタン・カイセド(Jonathan Caicedo、エクアドル)が区間優勝を果たした。一方、総合争いで大本命に挙げられているイネオス・グレナディアーズ(Ineos Grenadiers)のゲラント・トーマス(Geraint Thomas、英国)は、トップから11分以上も遅れた。

 ツール・ド・フランス(Tour de France)の元王者であるトーマスは、今ステージの競技開始を前に落車に見舞われた。これでレースはニュートラル走行でのスタートとなり、同選手もアクシデントから立ち直ったかにみえたが、残り30キロメートルを切ると集団から脱落した。

 レースはビーニザブKTM(Vini Zabu-KTM)のジョヴァンニ・ヴィスコンティ(Giovanni Visconti、イタリア)が2位、ロット・ソウダル(Lotto Soudal)のハーム・ファンフック(Harm Vanhoucke、ベルギー)が3位に入り、ドゥクーニンク・クイックステップ(Deceuninck Quick Step)のジョアン・アルメイダ(Joao Almeida、ポルトガル)が、トーマスのチームメートであるフィリッポ・ガンナ(Filippo Ganna、イタリア)から総合首位のマリアローザ(ピンクジャージー)を奪った。

 レース開始から10キロまでは、ヴィスコンティのほか、NTTプロ・サイクリング(NTT Pro Cycling)のヴィクトール・カンペナールツ(Victor Campenaerts、ベルギー)やEFプロサイクリングのローソン・クラドック(Lawson Craddock、米国)が逃げ集団を形成。

 その後、約20キロを走ると、27歳のカイセドがUTE(UAE TEAM EMIRATES)のミッケル・ビョーグ(Mikkel Bjerg、デンマーク)とロット・ソウダルのマシュー・ホームズ(Matthew Holmes、英国)らとともに集団に加わり、上り坂を前にした平坦コースに雨が降り注ぐ中、8人になったグループにとどまった。

 カイセドが残り2キロで集団から抜け出すと、ヴィスコンティはこれに追随できず。ジロ初出場のアルメイダは11位でフィニッシュラインを通過し、三大ツール(グランツール)ではキャリア初のリーダージャージーを手にした。

 トーマスは公式スタートラインに近づく中で落車し、この事故でジャージーが破れて左肩を負傷してしまった。このダメージにもかかわらず、ガンナとともにマリアローザを目指してレース残り28キロメートル付近まで食い下がったものの、エトナ山(Mount Etna)の上りに差し掛かる直前にスローダウンして集団から遅れてしまった。

 トーマスの総合争いのライバルの一人で、2018年のブエルタ・ア・エスパーニャ(Vuelta a Espana 2018)覇者であるミッチェルトン・スコット(Mitchelton-Scottramp)のサイモン・イェーツ(Simon Yates)も、残り9キロでペースを維持できずに集団から脱落し、アルメイダから3分46秒遅れとなった。(c)AFP