【10月3日 AFP】アルメニアとアゼルバイジャンの係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)で続く軍事衝突について、アルメニアは2日、同地の主要都市ステパナケルト(Stepanakert)を砲撃したとしてアゼルバイジャン軍を非難した。ナゴルノカラバフでは6日間にわたって激しい戦闘が続いている。

 ステパナケルトでは日中、断続的な砲撃が続いた後、夕方に激しい砲撃があり、住民らは避難所に身を寄せ、市外へ避難する人もいた。

 アルメニアの分離派の高官、グリゴリー・マーティロスヤン(Grigory Martyrosyan)氏は記者団に対し、「公共の建物、家屋、インフラが被害を受けた」ものの、ステパナケルトに避難命令が出されることはないとの見方を示した。

 先月27日から続く両国の軍事衝突は、ここ数十年で最も激しく、これまでに30人以上の民間人を含む200人近くが死亡している。

 アルメニアは、停戦を求めて仲介を担ってきた国々と連携する用意があるとしているが、アゼルバイジャンはまずアルメニアが軍隊を撤退させるべきだと主張している。

 フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は、アゼルバイジャンを支持する北大西洋条約機構(NATO)加盟国のトルコが、ナゴルノカラバフにシリアのイスラム過激派戦闘員を送り込んでいると非難しているが、トルコとアゼルバイジャン両政府は共に否定している。

 在英のシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)は、シリアの反体制派戦闘員850人以上が現地入りし、そのうちの少なくとも28人が軍事衝突で死亡したと報告した。

 この軍事衝突が周辺地域の大国トルコやロシアを巻き込んだ多国間戦争に拡大することへの懸念が高まっており、国際社会からはアルメニアとアゼルバイジャンに対し、停戦と協議の開始を求める声が強まっている。(c)AFP