【10月2日 AFP】エチオピア移民数千人を収容するサウジアラビアの施設で、少なくとも移民3人が死亡していたことが分かった。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)が2日、報告した。エチオピア移民は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)のさなかに「想像を絶する虐待」を受けているという。

 アムネスティの調査員、マリー・フォレスティア(Marie Forestier)氏は、「エチオピア移民数千人が、より良い生活を求めて故郷を離れたが、より良い生活を送るどころか、ことあるごとに想像を絶するような虐待を受けている」「恣意(しい)的に拘束された移民全員を即座に解放し、さらなる命が失われる前に収容所の環境を大幅に改善させるようサウジ当局に求めている」と述べた。

 エチオピア人はかねて、サウジアラビアを経済の暗い先行きや弾圧からの逃避先とみなしており、合法的な資格を持っていなくても、サウジで働きたいと考えている。

 国連(UN)の国際移住機関(IOM)によると、当局が不法移民の取り締まりに乗り出した2017年、サウジには50万人近いエチオピア人がいた。

 今回のアムネスティの報告書によると、移民は室内に便器がある「不潔な小部屋」に一日中収容され、「2人ずつ鎖でつながれる」こともある。南部ジザン(Jizan)州にある「アルダイア(Al-Dayer)収容所で、エチオピア人とイエメン人、ソマリ人の男性3人の遺体をこの目で見た」と移民2人が報告したという。

 報告書は、「しかし、聞き取り調査を受けた人は、収容中に亡くなった人を知っていると口をそろえた。うち4人は遺体をじかに見たことがあると回答した」としている。(c)AFP