■金の潜在的価値の損失は計り知れない

 鉱山労働者が支払いを受ける額と、金の最終的な価格との間には、驚くほどの落差がある。

 世界銀行は、人口8000万人のコンゴ民主共和国の12.5%に当たる1000万人が「小規模な採鉱で生計を立てている」と推定する。

 貧困と武装勢力間の激しい衝突で分断した同国東部では、金の潜在的価値の損失は計り知れない。

 先月11日にカミトゥガで発生した金鉱山の崩落後、同国のフェリックス・チセケディ(Felix Tshisekedi)大統領は、「このような悲劇を繰り返さないため、強力な対策を取る」よう政府に指示したと述べた。

 小規模採掘の公的監督機関SAEMAPEは鉱業会社に対し、「技術的・経済的な支援」を提供することになっている。しかし人権団体のキトゥンガノ氏は、SAEMAPEは「その使命を果たせていない」と述べ、「多くの抜け穴」をふさぐための改革を呼び掛けた。

 弁護士のデュンガ氏は別の提案をする。

「当局に求めるのは、コンゴ中央銀行(Central Bank of the Congo)に許可を与え、(独裁者だった)モブツ・セセ・セコ(Mobutu Sese Seko)前大統領時代と同じく、極めて小規模の鉱山労働者から採掘品を購入できるようにすることだ。鉱山労働者らが、販売価格と比べると、ただ同然のはした金しか支払わない密売人の言いなりになっている状況を終わらせないと」とデュンガ氏は述べた。(c)AFP/Samir Tounsi / Bienvenu-Marie Bakumanya