【10月1日 AFP】フランスの首都パリで早ければ来年6月にも「空飛ぶタクシー」の試験飛行が始まると、関係者が明らかにした。同市は2024年のパリ五輪で多くの観光客の流入を見込んでいる。

 イルドフランス(Ile-de-France)地域圏とパリの空港を運営するADPグループ(Groupe ADP)、パリ交通公団(RATP)の共同声明によると、試験飛行は、パリから北西へ車で約1時間半の場所に位置するポントワーズコルメイユ(Pontoise-Cormeilles-en-Vexin)飛行場で行われるという。

 試験飛行に選ばれたのは、ドローンに似ていて完全電動の垂直離着陸(VTOL)機「ボロシティー(VoloCity)」。ドイツのボロコプター(Volocopter)社が製造している。

 共同声明は、空飛ぶタクシーが新たな交通手段として期待されており、2024年の五輪開催はパリがアーバンエアモビリティー(都市航空交通)の世界市場の先駆者となるチャンスを与えるとしている。

 試験飛行の可否は、住民の承諾と安全規則、航空交通規制によるという。

 また、来年の前半にはパーキングエリアや充電スポット、地上の標識の手配が進むという。

 ボロシティーには18の回転翼とバッテリーパック9個が搭載されており、1機あたり2人が搭乗可能で、手荷物を含めた最大積載量は200キロとなっている。

 ボロコプター社はすでに世界各地で試験飛行を実施。昨年10月には初の都市中心部での試験飛行をシンガポールで行った。(c)AFP/Sonia WOLF