【10月1日 AFP】11月の米大統領選に向けて行われた第1回討論会で、共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領(74)と民主党候補のジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領(77)との論戦が泥仕合の様相を呈したことを受け、大統領候補討論会委員会(CPD)は9月30日、今後の討論会では「秩序を保つ」ための対策を講じると表明した。

 オハイオ州クリーブランド(Cleveland)で29日に行われた討論会では、トランプ氏がバイデン氏の発言を遮る場面が連続。トランプ氏はバイデン氏が「極左」に操られていると主張したほか、同氏の息子ハンター(Hunter Biden)氏の汚職疑惑を持ち出して挑発した。

 憤慨したバイデン氏は、トランプ氏を「ピエロ」や「愚か者」、「うそつき」、「プーチンの操り人形」呼ばわりし、「黙ったらどうか」と言い放つ一幕もあった。

 だがバイデン氏はおおむね冷静さを保ち、1時間半にわたる激戦に持ちこたえて、新型コロナウイルス対策や人種、経済問題でトランプ氏を批判した。

 CBSテレビが討論会を視聴した有権者1039人を対象に行った世論調査では、バイデン氏が初回討論会に勝利したとの見方が48%となり、トランプ氏の41%を上回った。この差は、これまで行われてきた全米世論調査での支持率にも近い。だが一方で、回答者の69%が、自制のない非難合戦にただ「不快になった」と答えた。

 討論会はあと2度開催されるが、初回の悲惨な結果を受け、一部識者からは残りの討論会を中止すべきだとの声も上がった。

 CPDは「昨夜の討論会からは、残る(2回の)討論会で各テーマについてより秩序だった議論が行われるようにするためには討論形式に追加の仕組みを加える必要があることが明確になった」と説明。「今後の討論会で秩序を保つための仕組みを追加する」ための措置を間もなく発表すると表明した。(c)AFP