【10月3日 AFP】爬虫(はちゅう)類の3分の1以上の種が、多くの場合規制されていない国際取引のオンライン上で売買されているとの調査結果をまとめた論文が9月29日、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に掲載された。研究者らは、希少種や新種の動物が高値で取引されているペット市場が、野生生物に影響を及ぼしていると警告した。

 タイと中国の研究チームが発表したこの論文によると、シモフリヒラセリクガメやセーシェルタイガーカメレオンなど、絶滅危惧種や限られた生息域にしかいない生物さえオンライン掲示板で売買されている。さらに、取引されている生物の4分の3が、国際的規制の範囲に含まれていないという。

 買い手は主に欧州や北米にいる。爬虫類学を研究する英団体「ブリティッシュ・フェデレーション・フォー・ハーパトロジスト(British Federation for Herpetologists)」は、英国で飼われている爬虫類の数はペットの犬の数を上回っていると報告している。

 だが他のペットと異なり、取引された爬虫類の90%の種、取引された個体の半数が野生で捕獲されていたことが分かった。

 論文の共著者で中国・西双版納熱帯植物園(Xishuangbanna Tropical Botanical Garden)の研究者、アリス・ヒューズ(Alice Hughes)氏はAFPに対し、「世界最大の陸生脊椎動物群の40%近くが取引されており、多くの絶滅危惧種や絶滅危惧IA類(Critically Endangered)がその中に含まれているとは想定していなかった」と述べた。