【9月30日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2020)は29日、男子シングルス1回戦が行われ、大会第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は6-0、6-2、6-3のストレートでマイケル・イマー(Mikael Ymer、スウェーデン)に圧勝。対戦相手が「獲物を仕留めるヘビ」と表現する強さで、男子では半世紀ぶりとなる四大大会(グランドスラム)全てでの2勝目獲得に向けて力強く滑り出した。

 ジョコビッチはこれで史上最多タイに並ぶ16回目の初戦突破を果たし、失格になった全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)を除く2020年シーズン33戦中32勝目を挙げた。

 第1セットをわずか20分で落とし、そのまま立ち直れず完敗した22歳のイマーは「獲物を仕留めるときのヘビのような感じだった」と率直に話した。

「コートをすごく広く使われた。ラリーには持ち込めたが、だんだん息が切れてきた。端から端へ走らされて、向こうはほとんどミスしなかった」「最初は冗談かと思ったよ。コートが広く感じられたし、世界一の選手がコートの向こうにいて緊張した」

 一方、全米オープンで線審にボールを当てて失格になったものの、直後のイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2020)で優勝してマスターズ史上最多36勝目を挙げたジョコビッチは、「ニューヨークの痕跡は頭の中にかけらも残っていない。乗り越えた」と話し、全米の件はもう完全に過去のことだと強調した。

 この試合でもジョコビッチの激高しやすい部分は顔をのぞかせ、第3セットにロジャー・フェデラー(Roger Federer)の帽子をかぶった観客にやじられたように見えた場面では、怒りに燃える目でそちらをじっと見つめた。それでも、新型コロナウイルス対策で観客がたった1000人に制限され、そうした出来事を気にしないようにするのが難しい中で、ジョコビッチは気持ちを切り替えて勝利を収めた。

 ジョコビッチは「あれは子どもの頃からの友人だよ。ゲームに勝った後にはキスを送っておいた。会えてとても良かった」と話した。

 ジョコビッチは2回戦でリカルダス・ベランキス(Ricardas Berankis、リトアニア)と対戦する。(c)AFP