ブラジル大統領、マングローブ林の保護区指定撤回
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【9月29日 AFP】ブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)政権は28日、同国沿岸部のマングローブ林などの壊れやすい生態系を保護する規制を撤回した。環境活動家らは、環境破壊につながる「罪」だと非難している。
今回の決定は、同国大西洋沿岸に多い熱帯性のマングローブ林や「レスティンガ」と呼ばれる砂丘状の低木地を保護するため2002年に設けられた「永久保護区」の指定を撤回するもの。
環境活動家らは規制を撤回することでこれらの土地で開発が進み、生態系に壊滅的な被害を与えかねないと警告している。
「これらの地域はすでに不動産開発による激しい圧力にさらされている」と語るのは、ブラジルの環境NGO「SOSマタ・アトランティカ基金(SOS Mata Atlantica Foundation)」の代表、マリオ・マントバーニ(Mario Mantovani)氏だ。同氏は「2002年の規制は少なくともこれ以上の破壊を防ぐものだった」とした上で、その撤回は「社会に対する罪」だと糾弾した。
極右のボルソナロ大統領が2019年1月に就任して以来、アマゾン(Amazon)の熱帯雨林や世界最大の湿原地帯パンタナル(Pantanal)では伐採と森林火災が急増している。
今回の決定は、物議を醸すことの多いリカルド・サレス(Ricardo Salles)環境相も出席した国家環境委員会(Conama)で下された。同委員会ではこの他、かんがい事業に義務付けられていた環境関連の許可申請の撤廃、セメント企業がコンクリートとして再生するための使用済み殺虫剤容器の焼却許可など、環境活動家らが非常に汚染度が高いと懸念する決定が下されている。(c)AFP