【9月28日 AFP】中国の北京市議会は25日、医療関連の「悪意のない」告発者を保護する新たな条例を可決し、即日施行した。この数か月前には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行初期に警鐘を鳴らした中国人医師が警察から訓戒処分を受けていたことが明らかになった。

 昨年末に最初に武漢(Wuhan)で拡大した新型コロナウイルスをめぐり早期に警鐘を鳴らした眼科医の李文亮(Li Wenliang)医師が同感染症で死亡すると、国民の国家指導層に対する怒りは異例の激しさを見せた。

 李医師は同感染症について当局に警告しようと試みたが、「うわさを流布した」として訓戒処分を受けた。

 他の武漢の告発者も後日、上司の許可なしに同感染症の流行について議論したことで政府関係者に罰せられたと中国メディアに明らかにした。

 北京市の新条例には、情報の裏付けが取れれば、情報提供者は報酬を受け、一切罰を受けないと明記されている。

 26日の北京市政府の発表によると、この条例は現在進行中の公衆衛生上の緊急事態に関する「偽の情報をでっち上げたり、故意に拡散したりする」者には適応されないという。

 1月の流行初期以来、中国当局は新型コロナウイルス関連のうわさを利用する行為を取り締まっており、全国で数百人を捜査、拘束した。(c)AFP