【10月11日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2020)は10日、女子シングルス決勝が行われ、19歳のイガ・シフィオンテク(Iga Swiatek、ポーランド)が6-4、6-1で大会第4シードのソフィア・ケニン(Sofia Kenin、米国)を破り、四大大会(グランドスラム)初優勝を果たした。

 世界ランキング54位での戴冠は、近代の全仏オープン女子では最も低いランクで、グランドスラムで初優勝を飾る女子選手が現れるのは、ここ14大会で9回目となった。

 この優勝で、世界17位に浮上することが決まっているシフィオンテクは、「もしかしたらそんなふうに、また無名の選手がグランドスラムを取る運命だったのかもしれない。今の女子テニスはクレイジーだから」とコメントした。

「自分でもわけが分からない。圧倒されている。クレイジー」「2年前に(ウィンブルドン選手権<The Championships Wimbledon>で)ジュニアのグランドスラムを勝って、そして今ここにいる」「あっという間だった気がする」

 19歳のシフィオンテクは、28年前の1992年に優勝したモニカ・セレシュ(Monica Seles)氏以降では最年少の全仏女王となった。またポーランドの女子選手としては、ヤドウィガ・イェンジェヨフスカ(Jadwiga Jedrzejowska)氏が挙げた1939年大会準優勝が全仏オープンの最高成績だったが、今回シフィオンテクはそれを上回ることになった。

 一方、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2020)女王のケニンは、2016年のアンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber、ドイツ)以来となる同一シーズンのグランドスラム2勝を目指したが、そこには届かなかった。

 試合はまず、シフィオンテクが緊張があるのではないかという当初の不安を打ち消すように、最初の15ポイント中12ポイントを獲得して3ゲームを連取した。しかし、ここまで厳しい状況を乗り越えてきたケニンも巻き返し、相手のダブルフォールトでブレークバックに成功するなどして3-3に追いついた。

 それでも、ここまでの6試合でわずかに23ゲームしか落とさず、一気に勝ち上がってきたシフィオンテクは次のゲームで大事なサービスキープに成功すると、さらに2度目のブレークを奪取。5-3で迎えた続くゲームではセットポイントで力のないバックハンドをネットにかけ、ブレークバックを許したが、最後は粘りが信条のはずのケニンがまたしても崩れ、2本のセットポイントを相手にプレゼントした流れから、最後はバックハンドがアウトしてシフィオンテクがこのセットを獲得した。

 第2セットはケニンがブレークを奪う展開から始まったが、シフィオンテクも負けじとバックハンドのダウンザラインを決めてブレークバックに成功し、次のゲームを簡単にキープしてゲームカウント2-1と先行した。

 ケニンはメディカルタイムアウトを要求してテーピングをした左の太ももを治療したが、相手の勢いを止めることはできず、シフィオンテクがこの試合5回目のブレークに成功した。さらに2連続ラブゲームで5-1とし、優勝へあと1ゲームに迫ると、1本目のチャンピオンシップポイントを強烈なフォアのクロスで獲得し、歴史をつくった。(c)AFP/Martyn WOOD