【9月25日 AFP】(更新、写真追加)仏パリにある風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)の元本社前で25日、男が肉切り包丁で2人を刺し重傷を負わせ、テロ関連の容疑で逮捕された。同市では3週間前、2015年に起きたシャルリー・エブド本社襲撃事件の共犯者とされる被告らの公判が始まっていた。

 パリ検察によると、「主犯」の男が現場近くのバスチーユ広場(Place de la Bastille)付近で逮捕された。仏検察のテロ対策部門は、「テロの企てに関連する殺人未遂」と「テロリストとの共謀」の疑いで捜査を開始したと発表。容疑者は18歳の男で、パキスタン出身とみられている。

 ジェラルド・ダルマナン(Gerald Darmanin)内相は国営テレビのフランス2(France 2)に対し、「イスラム過激派のテロ行為であることは明らかだ」と指摘。「われわれの国に対する新たな残虐な攻撃だ」と述べた。

 当局はさらに6人の身柄を拘束し、主犯とされる容疑者との関係の有無を調べている。警察は当初、4人が負傷し、うち2人が重傷としていたが、後に2人が重傷と訂正した。捜査関係筋がAFPに語ったところによると、現場近くでは犯行に使われた肉切り包丁が見つかった。

 ニュース番組製作会社プルミエ・リーニュ(Premieres Lignes)によれば、負傷したのは同社従業員の男女で、外でたばこ休憩を取っていたところ被害を受けた。シャルリー・エブド新本社の所在地は保安上の理由から公表されていない。

 シャルリー・エブド紙は、イスラム教の預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の風刺画を繰り返し掲載したことで多くのイスラム教徒の怒りを買った。2015年1月7日の本社襲撃事件では、イスラム過激派の銃撃により12人が死亡。同紙は今月の公判開始に先立ち、表紙に風刺画の一部を再掲載していた。(c)AFP