【9月25日 AFP】フランスの裁判所に25日から、ドメスティック・バイオレンス(DV)の加害者に追跡用の電子足輪の着用を命じる選択肢が与えられる。政府が24日、発表した。同国では、現在または過去のパートナーから殺害される女性の数が増加している。

 官報に掲載された政令によると、人権活動家らが長年求めていたこの措置は今年議会で可決され、25日から徐々に適用される予定。

 これはエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領が先に打ち出していた、政府による広範なDV取り締まりの一環で導入された。大統領は先に、警官の訓練強化や、緊急シェルターに新たに1000人分の受け入れ場所を確保すると発表している。

 GPSでの監視によって、過去にDVに及んだことが判明している者が被害者から一定の距離内に近づいた場合、女性と警察の両方に通報される仕組みだ。

 この監視用足輪導入の賛成派は、スペインや米国の一部の州で同措置が導入された後にDVが激減したと話している。

 フランス国内の公式統計によると、昨年DVを受けて死亡した女性の数は、2018年の121人から146人に増加している。

 政府は、配偶者から暴力を受ける女性の数は年間20万人以上に上るものの、このうちの多くは一度も通報されていないとみている。(c)AFP