■容疑をかけられると有罪はほぼ確実

 8月26日になってようやく事情が判明した。中国当局が、「違法な越境」をしていたとして香港市民12人の逮捕を発表したのだ。

 その後、香港から南シナ海(South China Sea)を横断して700キロ以上離れた台湾にたどり着くという、大胆な試みの詳細が明らかになった。

 中国政府が香港の民主化運動を弾圧する中、民主的な台湾が避難場所として浮上している。台湾は、適正な査証(ビザ)や書類を持たない住民に目をつぶっている。しかし、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)下では、空路で台湾に行くことは困難になっており、民主化デモ関連の犯罪の容疑をかけられた人々はパスポートを押収されることも多いため、時に危険な旅となるボートによる渡航が唯一の選択肢になっていた。

 中国当局に逮捕された12人は、「香港12」と名付けられた。渡航半ばで捕まったことで知られる最初の香港市民だ。

 香港での起訴を逃れようと試みた12人は、中国共産党が支配する独裁的な司法制度の下、さらに厳しい裁判を受けることになる。容疑をかけられると、有罪になるのはほぼ確実だ。

 香港では、逮捕された容疑者を48時間以内に裁判所に引き渡すことができない場合、釈放しなければならない。だが、本土の司法制度は、はるかに不透明だ。

 当局は、12人の逮捕を発表してから20日後にようやく、広東(Guangdong)省深セン(Shenzhen)市で全員を刑事事件で勾留していることを認めた。

 中国政府と香港当局は、今なお12人の氏名を公表していない。

 親中派の香港政府は、香港市民の送還を求めるのは、中国本土での当該犯罪の手続きが済んでからだと明言している。

 中国本土の担当弁護人の一人、ルー・シーウェイ(Lu Siwei)氏は、当局がこの12人を起訴するか否かを決定するのは10月初旬になるだろうとの考えを示し、「検察側が不当逮捕という判断を下した場合は、10月1日までに保釈または無条件釈放となるはずだ」との自身の法的見解を述べた。「逮捕が正当なものと認められれば、引き続き勾留され、有罪になる可能性が非常に高い」 (c)AFP/Su Xinqi