【9月19日 AFP】米アラスカ州の裁判所は、麻酔をかけた患者の歯をホバーボードに乗りながら抜いた歯科医師に対し、違法な歯科業、詐欺、未必の故意ないしは認識ある過失による生命・身体危険罪などの罪で禁錮12年を言い渡した。

 セス・ルックハート(Seth Lookhart)被告(35)が複数の友人に携帯電話で送っていた動画には、二輪のホバーボードに乗ったまま患者の歯を抜き、手袋を外しながら、ガッツポーズをして移動する様子が映っている。

 アラスカ州司法省によると、アンカレジ(Anchorage)上位裁判所のマイケル・ウォルバートン(Michael Wolverton)判事は、ホバーボードに乗って抜歯したことが同被告の最も重い罪ではないと指摘した。

 同判事によると、ルックハート被告は麻酔の訓練を受けていないにもかかわらず、大勢の患者に同意を得ないまま麻酔をかけて患者の生命を危険にさらした。さらに低所得者向けの公的医療保険「メディケイド(Medicaid)」で診療報酬を不正に請求した上、上司の金も横領していた。

 米CNNは18日、同被告が「振り返ってみても自分がいつ道を踏み外したのか分からない」「自制心を保ち、(治療に)集中することもできたはずで、そうするべきだった」と発言したと報じた。

 検察は、アラスカ州から横領した200万ドル(約2億1000万円)以上の診療報酬の弁済を同被告に命じるよう裁判所に求めた。(c)AFP