【9月19日 AFP】国連人権理事会(UN Human Rights Council)の会合で18日、ベラルーシの先月の大統領選に出馬した主要野党候補スベトラーナ・チハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏の動画メッセージが上映され、同国の代表らが制止を試みる場面があった。理事会はベラルーシの状況を監視する決議案を採択した。

 ベラルーシでは、アレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領が6選を果たした先月の大統領選の結果に抗議するデモをめぐり、政権による暴力的な弾圧が続いている。人権理事会が開いた緊急の会合で流された動画メッセージでチハノフスカヤ氏は、国際社会に対して「最も強力」かつ「早急な」対応を求めた。

 しかし、動画が始まるとすぐに、ベラルーシのユーリー・アンブラゼビッチ(Yuri Ambrazevich)大使は動画を止めるよう要求。上映を何度も中断させ、チハノフスカヤ氏の発言は「現在起きている出来事と実質的に無関係」だとして手続き上の異議を唱えた。

 アンブラゼビッチ氏の主張は、人権理事会のエリザベス・ティヒ・フィツェルバーガー(Elisabeth Tichy-Fisslberger)議長に退けられた。

 18日の会合では、深刻な人権侵害が大量に起きているベラルーシに対し、「独立した調査」が緊急に必要だと主張する欧州連合(EU)が提出した決議案が採択された。

 ロシアは決議案に17か所の修正を求めたが、全て却下された。最終的に原文のまま採決され、47の理事国のうち賛成23か国、棄権22か国、ベネズエラとエリトリアの2か国が反対した。(c)AFP/Nina LARSON