【9月21日 東方新報】中国の全国日本経済学会と中国社会科学院日本研究所、社会科学文献出版社は10日に共同で「日本経済青書:日本経済と中日経済貿易関係研究報告(2020)」を発表した。中国国内市場規模の拡大に伴い、日本企業の中国に対する立ち位置は生産基地から消費市場に大きく転換してきており、日本との貿易は多元化の趨勢(すうせい)にあると分析している。

 この青書は、新型コロナ肺炎まん延を背景に日本経済と中日経済関係の発展の趨勢を全方位的に分析、予測。2019年については、世界経済が急減速し、貿易保護主義と一極主義が台頭するなか、グローバル貿易が深刻な影響を受けたとするも、中日貿易は依然として3000億ドル(約31兆円)規模を維持した、と評価した。日本の最大貿易パートナーは連続12年、中国だ。

 また日本の中国に対する直接投資は少しずつ回復し、中国商務部の統計によれば、2019年末、日本の累計対中投資(実施ベース)は1157億ドル(約12兆円)で、中国市場が吸引している外資総額の6.1%を占め、最大投資国となっている。 同時に日本の対中直接投資は、サービス産業が急増しており、投資領域の多極化が趨勢となっている。

 さらに中国日本商会が2019年に発表した調査結果によると、48%の日系企業が中国での経営規模拡大を望んでおり、これは2015年の調査より10ポイント高い。このデータを引用して報告は、中国における日系企業の中国市場への投資は比較的強気の自信を維持していると分析している。

 特に、新型コロナ肺炎の感染爆発以降、中国政府は流行を速やかにコントロールし、経済を速やかに回復させ安定的かつ良好なモメンタムを維持した対応力が評価された、という。これにより、中国内に新たに多くの投資と消費の成長ポイントが出現しており、外資企業にとっては、大きなビジネスチャンスの到来を意味している。

 中国企業も対日投資のペースを加速しており、主に製造業、金融サービス、インターネット、電気、通信、ソフトフェアの新産業、国境を越えたEコマース、モバイルペイ、シェアリングエコノミーの新経済モデルの発展が比較的早い。

 さらに青書が強調するのは、米国の保護貿易主義の台頭がグローバルサプライチェーンを混乱させ、グローバルサプライチェーンの重要な一環である中日貿易も、悪影響を免れ得られなかった、という点だ。中日がともに米国保護主義の被害者的立場での連携強化を示唆した。

 日本の対中輸出で、減少が顕著なのは自動車部品、電子・機械設備などの領域で、対中輸入の減少はアパレル、科学、通信設備産業に集中している。しかし、中国国内消費市場の規模拡大と住民の収入水準向上にともない、日本は中国国内市場にさらに依存するようになり、日本企業の中国市場の立ち位置も転換し、さらに多くの中国国内産業チェーンに委託するようになり、中日貿易も多元化傾向が見えている。

 日本国際協力銀行の調査報告によれば、日本製造企業のうち60.8%の企業が、中国市場に投資のポテンシャルを認めている。同時に中国のサービス産業の発展にともない、日本企業は飲食、娯楽、物流運輸、スーパーチェーン、観光ホテルなどのサービス産業領域で中国市場の開拓を継続している。

 日本経済研究センターと日経新聞が7月に実施した日本上場企業に勤務する3000人(うち1100人が中国関連の業務経験あり)のビジネスマンを対象にしたインターネットアンケートによれば、7割近くが中国人の旺盛な消費需要に期待を示している。

 この調査で、生産基地としての中国をどのように見るか、という質問に対しては「今後も以前と同様重要である」との改定は35.2%、「重要性は今後さらに増加する」との回答は14.9%だった。だが、消費市場としての中国をどのようにみるか、という質問に関しては「以前と同様重要である」(42.4%)、「今後ますます重要になる」(26.5%)との回答になった。

 青書は、日本の中国市場に対する立ち位置はすでに、加工製造業中心、輸出基地中心から消費中心に転換している、として、統計データ上は、中日貿易は減少しているように見えるが、それはサプライチェーンの一部はもはや国家間の貿易によって達成されるものではないということであり、中日間の経済関係は、そのことで弱まるものではない、と強調している。(c)東方新報/AFPBB News