【9月14日 AFP】ギリシャにある欧州最大の移民収容施設が火災に見舞われ、数千人の難民申請者が住む場所を失った問題で、同国政府は13日、1週間以内に住む場所を提供したいとの考えを示した。この問題をめぐり、抗議者と警察との衝突も起きている。

 9日、レスボス(Lesbos)島にあるモリア(Moria)移民収容施設で放火とみられる火災があり、密集して暮らしていた難民申請者およそ1万1000人が避難した。高齢者や子どもも含まれ、火災以来、野外での寝泊まりを強いられている。

 壊滅的な被害を受けた同施設は、国連(UN)や人権団体から過密や劣悪な衛生状態についてたびたび批判を受けていた。現地当局は同施設から数キロ離れたカラテペ(Kara Tepe)に3000人規模の新たな収容施設を設置した。

 同国のノティス・ミタラチ(Notis Mitarachi)移民政策相は、住む場所を失った難民申請者全員にテントを供給するのに5日かかると述べた。当局者らは難民認定手続きが速まると明らかにした。

 13日午後までに約500人がカラテペの施設に入り、それを上回る人数の移民が施設の前に列をなした。一方、同施設への入居をためらったり、公然と拒否したりして、路上に残る人もいた。

 AFPの記者によると、13日朝には移民らが欧州連合(EU)に支援を求め、平和的なデモを行った。同日午後にはカラテペ近くの路上で、数千人が食料と水の配給を数時間にわたり待った。

 アフガニスタン人の移民ナスルーラさん(22)はAFPの取材に「新しい施設では、私たち全員が死ぬことになる。とても小さい。安全は感じられない。他の解決策が見つかるまで、私たちはここに残ろうと思う」と述べた。

 12日には、モリアで経験したことが繰り返されるのではないかとの不安から衝突が発生した。若い男性らが警察の機動隊に石を投げ、機動隊は催涙ガスで対応した。(c)AFP/Vassilis KYRIAKOULIS with Katerina NIKOLOPOULOU in Athens, Katerina NIKOLOPOULOU