【9月12日 AFP】12日に行われる全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)の女子シングルス決勝では、ともに通算3度目の四大大会(グランドスラム)優勝を目指す大坂なおみ(Naomi Osaka)とビクトリア・アザレンカ(Victoria Azarenka、ベラルーシ)が激突する。

 今大会を制せば、第4シードの大坂にとってはここ2年間で3度目のグランドスラム優勝となり、元世界ランク1位のアザレンカにとっては2013年以来のメジャー制覇となる。両者の対決は力強さを増している若手スター選手の一人と、7年間の低迷期を乗り越えて息を吹き返しているベテラン選手のマッチアップという構図となった。

 持ち前のパワーテニスと人種差別抗議運動「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」で一躍知名度を上げている22歳の大坂は、2018年大会の決勝でセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)を撃破したときより良い準備ができていると話している。

 ジェニファー・ブレイディ(Jennifer Brady、米国)にフルセットで勝利した準決勝の後には、「今回は心持ちが全く違う」「浮き沈みを経験して多くのことを学んだと思う。それは決勝だけでなく、通常のトーナメントの試合に関しても言えること」「精神的には強くなったと言える。今は身体面もそう。どうなるか楽しみ」と語った。

 日本とハイチにルーツを持つ大坂は、今大会を通じて人種差別や警察の暴力で犠牲になった人々に敬意を表し、これまでにブリアンナ・テイラー(Breonna Taylor)さん、エライジャ・マクレーン(Elijah McClain)さん、アマード・アーベリー(Ahmaud Arbery)さん、トレイボン・マーティン(Trayvon Martin)さん、ジョージ・フロイド(George Floyd)さん、そしてフィランド・キャスティル(Philando Castile)さんの名前が入ったマスクをつけてきた。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で無観客のアーサー・アッシュ・スタジアム(Arthur Ashe Stadium)で行われる12日の決勝では、また別の人の名前が記されたマスクをつけて登場することになっている。