【9月9日 AFP】ジンバブエ政府は8日、国立公園での採鉱をすべて禁止した。前日には環境保護に取り組む弁護士らが、国内最大の動物保護区における中国企業による石炭資源探査の禁止を裁判所に訴えていた。

 ジンバブエは、中国企業「トンマオ・コール・カンパニー(Tongmao Coal Company)」に、ゾウ約4万5000頭の他、クロサイなど多数の動物が生息するワンゲ国立公園(Hwange National Park)での石炭資源探査を許可していた。

 ジンバブエ環境法協会(ZELA)は7日、保護区である国立公園での採鉱を認めたことによって「生態系の退化を防ぎ、保護を促進するとした憲法上の義務に違反している」として、高等裁判所に申し立てを行っていた。

 会議後の報告書によると政府は8日、許可を撤回し、国立公園内でのすべての採鉱を「即時に」中止した。

 ZELAは、石炭資源探査が進められた場合、人気観光地のワンゲ国立公園が近いうちに「掘削や土地開墾、道路建設や地質調査の地となってしまう」と警告していた。

 さらに「これによって動植物の損失とクロサイやセンザンコウ、ゾウ、リカオンなど多くの希少な動物種の生息地の減少といった不可逆的な生態系の退化が起こるという深刻な危険がある」と指摘。弁護士らはまた、探鉱によって地元住民の主な収入源であるサファリ観光が損なわれる恐れがあると懸念していた。(c)AFP