ジンバブエの森でゾウ12頭死ぬ、生息地の過密が原因か
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【8月31日 AFP】ジンバブエの野生動物当局は30日、ワンゲ国立公園(Hwange National Park)北部の森でゾウ12頭が死んでいるのが見つかり、調査を行っていると発表した。
ゾウの死骸はワンゲ国立公園からビクトリアフォールズ(Victoria Falls)の町にかけて広がる森の中で、28日に11頭、29日にさらに1頭が発見された。5〜6歳の若い成体のほか、生後およそ18か月の赤ちゃんゾウも複数含まれているという。
国立公園・野生動物当局の担当者は、死因について「牙が無傷だったため、密猟の可能性は排除された。ゾウを食べているハゲワシなど他の動物には異変は起きていないため、毒殺されたわけでもないと判断した」とAFPに説明した。
初期調査では、細菌が原因の可能性が浮上している。担当者によると、この一帯ではゾウの個体数が増えすぎて「過密状態にあり、好んで食べる草がなくなって、そこに生えているものなら有毒な植物でも食べてしまう」という。
ワンゲ国立公園の面積は1万4600平方キロで、ゾウの生息環境としては通常なら1万5000頭が限度だが、現在この一帯には4万5000~5万3000頭のゾウがいるという。
世界最大の推定約13万頭のゾウが生息している隣国ボツワナでは、今年3月以降にゾウ300頭前後が死骸で見つかっているが、死因は自然界で発生した毒とみられている。(c)AFP