【9月9日 AFP】台湾の蔡英文(Tsai Ing-wen)総統は8日、台北(Taipei)で行われたアジア太平洋地域の安全保障に関するフォーラムで演説し、中国が周辺地域で示している拡張主義に対し、民主主義諸国は立ち向かおうと呼び掛けた。

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 蔡氏は名指しこそしなかったものの、中国を念頭に置いた発言であることは明らかだ。その中で、「台湾は独裁主義による侵略から民主主義を守る最前線にいる」と蔡氏は述べ、民主主義国の同盟によって「自由と…人権そして民主主義」は守られるだろうと語った。

 また、同じく中国の国名は挙げずに、南シナ海(South China Sea)や台湾海峡(Taiwan Strait)における軍事行動や「他国や企業に対する強制外交」に触れた上で、「志を同じくする国々、そして民主主義の友好国が…一方的な侵略行動を抑止する戦略的秩序を維持するときだ」と述べ、一国だけでは地域の平和と安全を維持できないと強調。「それらの同盟こそが、われわれが最も重視する価値観、すなわち自由、安全、人権、民主主義を守ることができる」と主張した。

 さらに蔡氏は「われわれの価値観や信念を共有しない人々との短期的な解決策」を求めることは避け、経済統合を求めると述べた。

 中国軍は先月、台湾他数か国との間で係争地となっている南シナ海にミサイルを発射した。(c)AFP