【9月8日 AFP】南アフリカ最大のドラッグストアチェーンが白人の髪を賛美する「人種差別」広告をウェブサイトに掲載したとして抗議が巻き起こり、系列400店舗超が7日現在、閉鎖に追い込まれている。

 ドラッグストアチェーン「クリックス・ファーマシー(Clicks Pharmacy)」は自社ウェブサイトに掲載した広告で、白人の髪は「普通」で、黒人の髪は「さえない」と表現。だが、これに対する抗議を受けて謝罪し、広告を取り下げた。

 南ア全土の系列店の前では、左翼政党「経済的解放の闘士(EFF)」の支持者らが数十人単位でピケを張り、営業を阻止している。

 インターネット上の世論も騒然としており、ツイッター(Twitter)では黒人女性らが自分たちのアフロヘアの写真に「#RacismMustFall(消えろ、人種差別)」「#BlackHairIsNormal(黒人の髪は普通)」といったハッシュタグを付けて非難の声を上げている。

 同社によると、南ア全土に展開する500店舗超のうち、これまでに425店舗が破壊されるなど何らかの被害を受けた。「抗議活動は現在も続いているため、被害総額を推定するのは難しい」という。

 南ア政府は声明を発表し、「下品な人種差別的広告」は憂慮すべきだが、「法をわがものとする誘惑に抵抗」するよう国民に呼び掛けた。(c)AFP