【9月8日 東方新報】2020年8月26日は、深セン(Shenzhen)経済特区が設立されてちょうど40周年の節目。夜にはドローン826機によるライトアップショーで深セン特区40歳の誕生日を祝った。

 人口3万人の小さな漁村はこの40年の間にGDPが1.37万倍、年平均成長21.6%、常駐人口1300万人都市に成長。毎秒8万5000元(約132万円)の総生産を生み出す中国最大の国際イノベーション都市でもあり、一平方キロごとに8.5の国家級ハイテク企業が林立し、毎日平均71件の発明特許が登録されている。華為技術(ファーウェイ、Huawei)、招商銀行(China Merchants Bank)、中国平安保険(Ping An Insurance)、騰訊(テンセント、Tencent)、万科企業(Vanke)、正威国際集団(Amer International Group)、恒大集団(Evergrande Group)、深セン市投資控股有限公司(Shenzhen Investment Holdings)など世界500強に入る8大中国企業が集い、300社に及ぶ海外500強企業も拠点を置いている。

 深センに最初にやってきた外国企業はタイの正大集団(Chia Tai Group)。「深セン0001号外商投資企業批准証書」を持つ同集団の楊正平(Yang Zhengping)中国区CEOは、国営中国中央テレビ(CCTV)の取材に対し、「深センの発展は世界の奇跡だ。幼稚園児が博士レベルなったようなものだ」と絶賛した。正大集団はタイの華僑、謝易初(Chia Ek Chor)氏が創設した農業・家畜飼料企業から発展した農業系コングロマリット。成功した海外華僑として祖国に報いる気持ちで1979年11月に四男、謝国民(Dhanin Chearavanont)氏たち代表団を深センに派遣し、米国のコンチネンタルグレイン(Continental Grain)と3000万ドル(約32億円)の共同出資で正大康地深セン有限公司(CTC Group)を設立したのが、改革開放後最初の中国における外国企業となった。

 では深センは、なぜこのような発展を遂げることができたのか。CCTVの特別番組で中国経済体制改革研究会副会長でもある中国(深セン)総合開発研究院の樊綱(Fan Gang)院長がそのあたりのことを解説していた。

 樊綱氏によれば、深センは国際金融都市・香港に隣接した製造業の集積地として発展。対外開放のムードの中で、市としてさまざまな試験的な取り組みを率先して行われたことが、のちのハイテク分野の発展を主導するようになった背景にある、という。

 ファーウェイの創業者である任正非(Ren Zhengfei)氏が以前に、一枚の共産党公文書(紅頭文書)を手にしながら樊氏にこう述懐したという。「この紅頭文書がわれわれに試験的なハイテク企業の創設を許したのだ。そしてわれわれは発展できた」。

 また、対外開放が貿易を盛んにし、さらに外資を吸引するようになった。これが深センの金融を絶え間なく発展させ、さらにはハイテク産業の発展を伴い、産業構造の転換とレベルアップを果たしてきた。虚心に世界に先進技術を学び、先進の経験を学ぶという後発の優勢を発揮したことが、深センをハイテクニューテクノロジー都市のトップクラスに押し上げることを可能にし、いまや一部国家から脅威とみなされるまでに発展したのだった。

 だが香港の国際金融都市としての地位が揺らぎ、一部国家から深センに拠点を置くハイテク企業が強力なライバル、脅威として警戒までされるようになった今後、深センの未来はどこに向かうのか。

 樊氏は「製造業のように工場を拡大して発展していくような企業にとっては深センの土地は十分な広さではないし、土地価格の高騰によるコスト高の問題がおきている。こうした問題を克服するためには、政府の支援が重要で、そうした支援を受けて産業のハイテク化への転換によって、付加価値のさらに高い製品の製造へとレベルアップしていかねばならない」と指摘する。

「われわれは多くの新たな問題に直面しているが、深セン特区の機能、つまり、先行テストによって新たな経験を生み出していく方法はまだ必要とされている。例えば地方の立法権の問題も、経済特区として深センが、自ら新たな制度、新たな法律をつくり、先行テスト的に取り組むこともできる」とのべ、深センが今後、法制上の新たなテストケースに挑戦することにも期待を寄せた。

 一部中国ハイテク企業が今、外国から圧力をうけ、市場から排除されようという問題に直面していることは、深センにとっても大きな課題だが、樊氏は比較的楽観的で、「市場はわれわれよりも聡明(そうめい)であると信じることだ。企業もわれわれより聡明であり、多くの状況はわれわれが思いつかないところに、早晩到達する。」と述べていた。深センは今後、公共サービス市場、医療、衛生、社会保険、環境、交通、社会管理方面で、より多くのハイテク技術が応用されるようになり、そのような社会がソフトパワーを比較的強化し、企業はこのソフトパワーの発展によってさ、さらに新技術、新製品を開発していく、という。

「不惑」の深センは、迷いなくこれからも発展の階段を上り、成熟していくようだ。 (c)東方新報/AFPBB News