【9月5日 AFP】米ノースカロライナ州で4日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領と民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領が争う11月3日の大統領選に向け、郵便投票用紙の発送が始まった。

 新型コロナウイルス感染拡大への懸念から、多くの人が投票所へ行くのを避けようとしており、郵便投票が急増すると予想されている。

 世界一の経済大国である米国では、新型コロナウイルスの流行によって18万7000人が死亡。健康危機や人種をめぐる米国の過去の過ちへの審判で緊張が高まっている中、米国は今後60日間、新型コロナ流行によって大きく変わった状況下で選挙を実施する能力が試される。

 ノースカロライナ州では、郵便投票を希望する人が急増したため、60万枚以上の投票用紙を発送することになった。

 トランプ、バイデン両候補が最近訪問したウィスコンシン州などの激選州でも、今後数週間で郵便投票用紙の発送が始まる予定だ。

 米政治情勢の分断が深まる中、国民がどのように投票するかが論争の新たな火種になっている。

 トランプ氏は、郵便投票が大規模な「不正」につながるという根拠のない主張を繰り返してきた。そのトランプ氏自身は、第二の故郷であるフロリダ州で郵便投票する。

 さらにトランプ氏は支持者に対し、大統領選で投じた票が確実に集計されるようにするためだとして、郵便投票した上で投票所に行き、改めて投票を試みることまで呼び掛け、ソーシャルメディアや民主党議員から嘲笑の的となった。(c)AFP/Jerome Cartillier with Michael Mathes in Wilmington, Delaware