【9月4日 AFP】イスラエルの考古学者らは3日、2700年前の柱頭の一部だと考えられる貴重な石の彫刻を公開した。ほぼ壊滅状態だった古代ユダ(Judah)王国の繁栄の復活を示しているという。

 雄羊の渦巻き状の角を連想させるプロトアイオリス式の二つの石灰岩の彫刻は、幅50センチほどで、ほぼ完全な状態で保存されている。後に破壊された建物の、中庭の柱の上部だったと考えられている。

 文化遺産について発信する「エンシェント・ヒストリー・エンサイクロペディア(Ancient History Encyclopedia)」によると、アイオリス様式は、フェニキア様式から発展した古典建築の初期の形式だったという。

 彫刻は昨年11月、エルサレム旧市街(Old City)から南に数キロに位置するアルモンハナチーブ(Armon Hanatziv)の遊歩道で、ビジターセンターの建設の準備中に、イスラエル考古学庁(IAA)の考古学者により発見された。

 発見した考古学者は、彫刻が発見された場所は「王族の所有地」、もしくは極めて裕福な人物の宮殿だったと推定されると指摘している。

 宮殿はおそらく、紀元前701年のアッシリア帝国(Assyrian Empire)による包囲攻撃からの立て直しを図っていたヒゼキヤ王(King Hezekiah)とヨシア王(King Josiah)の治世に建てられたとみられる。

 エルサレムを中心としていたユダ王国は、紀元前約940年から紀元前586年まで続き、バビロニアのネブカドネザル(Nebuchadnezzar)王によって滅ぼされた。(c)AFP