【9月1日 AFP】ラグビー日本代表の松島幸太朗(Kotaro Matsushima)は31日、今季のジャパンラグビートップリーグが中止され、国内でプレーする選手たちが来年1月まで試合ができない見通しの中で、ブレイブブロッサムズ(Brave Blossoms、日本代表の愛称)が今秋の8か国対抗戦への不参加を決めたと報じられたことに「がっかりしている」と語った。

 昨年のW杯(Rugby World Cup 2019)開催国である日本は、中止となった11月のテストマッチに代わって同月から12月にかけて行われる計画の「エイトネーションズ」に、フィジーと同じ招待枠で参戦する予定だった。

 しかし、ジェイミー・ジョセフ(Jamie Joseph)ヘッドコーチ(HC)が率いる日本代表は前週、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)を理由に参加を見送ると、国内メディアで伝えられた。

 今季からフランスリーグ・トップ14のクレルモン・オーヴェルニュ(Clermont Auvergne)でプレーする松島は、「がっかりしているのは間違いない。なぜなら、日本にいる選手全員にとって、良いモチベーションになるはずだったから」とすると、「今年はトップリーグが中止になった。選手たちは現在試合ができず、トレーニングするだけの状態を強いられている」と語った。

 6日にトップ14デビューを果たすことになっている27歳の松島は、2月を最後に実戦から遠ざかっている。今年のトップリーグのシーズンは、3月に日野レッドドルフィンズ(Hino Red Dolphins)のジョエル・エバーソン(Joel Everson)がコカインで陽性となる中で中止された。

「ここに来る前は、W杯の合宿からの回復を考えていた。最初の2か月は問題なかったが、その後は長い休暇を挟んで体調を取り戻すのは難しかった」「自分にとって、ここに来て体を元に戻すのはかなりタフだった」

 テストマッチで通算39試合に出場している松島は、トップ14のRCトゥーロン(RC Toulon)でプレーした五郎丸歩(Ayumu Goromaru)とスタッド・トゥールーザン(Stade Toulousain)に所属していた日野剛志(Takeshi Hino)らに続き、仏プロリーグに加入する史上6人目の日本人選手となった。

 サントリーサンゴリアス(Suntory Sungoliath)時代にはスリークオーターバックを務めていた松島は、その語学力を生かして新天地になじみ、将来海外に移籍する選手の手本になることを望んでいる。

「自分が成功すれば、日本にいる選手たちも後に続くことになるだろう。良いパフォーマンスを見せて、他の選手も自分はできると言えるようにしていきたい」「英語を話せる選手たちが本当に助けになったし、クレルモンでは到着してスムーズになじめた。それに、フランスの選手はフレンドリーで親切だ。チームに溶け込むのは簡単だった」

 2017年のリーグ王者クレルモンでは、退団した元イングランド代表のニック・アベンダノン(Nick Abendanon)の代わりにプレーする予定の松島は、昨年のW杯では日本代表のWTBとして計5トライを記録する活躍をみせながらも、FBの背番号15のシャツを着てプレーすることを望んでいる。

「自分はFBでのプレーを望んでいる。なぜなら、スペースがあればあるほど、チームにチャンスをつくり出すことができるからだ」「トップ14でウイングを担うなら、もっと強いフィジカルと大きな体格が必要だと思う。自分が15番でプレーできるなら、もっとアウトサイドにチャンスをつくり出せる」 (c)AFP/Illtud DAFYDD