最高裁長官批判の弁護士に1ルピーの罰金 インド
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【9月1日 AFP】インド最高裁は8月31日、新型コロナウイルス流行のさなかに、最高裁長官がマスクを着用せずに複数の人に囲まれ大型バイクにまたがる写真をツイッター(Twitter)に投稿した人権派弁護士に対し、侮辱行為に当たるとして罰金1ルピー(約1.5円)を言い渡した。象徴的な処分とみられているものの、言論の自由をめぐり懸念が持ち上がっている。
弁護士のプラシャント・ブシャン(Prashant Bhushan)氏(63)は6月、最高裁長官シャラド・アービンド ・ボブデ(Sharad Arvind Bobde)氏への批判と思われるツイート2本を投稿。うち1本には同長官が「ハーレーダビッドソン(Harley-Davidson)」のバイクにまたがる写真が添えられていた。
罰金の支払期限は9月中旬で、支払わなかった場合には3月の禁錮および弁護士資格の停止が命じられる。
ブシャン氏は、罰金は払うと述べたが、ツイートについては謝罪しなかった。
この裁判は言論の自由をめぐる懸念を生じさせているが、同時にインド法曹界内の不毛な意地の張り合いともとられている。
ブシャン氏は、ヒンズー国家主義政権を率いるナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相への批判の先鋒(せんぽう)に立ち、長年にわたって数々の公益訴訟を手掛け、人権活動家の弁護を無償で引き受けてきた。
ボブデ長官に関するツイートを投稿した際には、コロナ流行によるロックダウン(都市封鎖)で裁判所が閉鎖され、「司法へのアクセスという市民の基本的権利が否定される」中で、長官の行為は偽善的だと非難していた。
ブシャン氏は8月、侮辱行為で有罪が確定していた。最高裁はおそらくさらなる問題化を避けるため、謝罪の機会を与え、罰則を回避しようとした。だが、ブシャン氏は「自分の良心に対する侮辱になる」とし、これを拒否した。(c)AFP