【8月30日 AFP】インドネシア・スラウェシ(Sulawesi)島の山間部には、3年ごとにミイラ化した親族の遺体を掘り出し、死者の魂をあがめるため、遺体を清めて生前に好んでいた服で着飾る風習がある。

 人口約100万人のトラジャと呼ばれる人々が営む「マネネ(Manene)」という儀式では、親族の遺体が8月の収穫期の前後に掘り起こされ、墓が清められる。

 パンガラ(Panggala)村で29日にこの儀式を家族で営んだロニー・パサン(Rony Pasang)さんはAFPに対し、「私たちは時に、私たちの健康や繁栄を祈ってくれるようお願いしながら、彼ら(親族の遺体)と会話することさえある」と語った。

 パサンさんは祖母や大叔母など数人の遺体を掘り出し、子どもたちや孫たちがしなびてミイラ化した遺体を拝んだ。

 パンガラ村の一族の遺体は掘り起こされて天日で干された後、服を着せられる。この儀式のためにごちそうも振る舞われ、豚1頭がつぶされた。

 トラジャの人々にとって、親族の死は込み入った葬儀の手順を伴う。

 遺体はミイラにするために防腐措置を施され、数か月が経過した後に「ランブソロ(Rambu Solo)」と呼ばれる盛大な葬儀が数日間にわたって営まれると、死者の魂は解放されて不滅となる。(c)AFP