【8月30日 AFP】ドイツの警察当局は29日、首都ベルリンで新型コロナウイルスの懐疑論者ら約1万8000人が参加したコロナ対策への抗議デモについて、多くの人がソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)措置を守らなかったとして中止させた。

 ベルリン市当局はこれに先駆け、推定2万2000人のデモ参加者らが1.5メートルの対人距離を維持せず、マスク着用義務も守らないと懸念し、デモ開催を認めないとの決定を下していた。

 デモの禁止を受け、主催者やその支持者らから批判が噴出。ソーシャルメディア上では何としてもデモを行うとした怒りの投稿が寄せられ、暴動を呼び掛ける声も上がった。

 ベルリン行政裁判所はデモ前日、主催者がソーシャル・ディスタンシング措置を「故意に無視」し公衆衛生を危険にさらす兆候はみられないとして、デモ実施を認めた。

 しかし、同市の名所ブランデンブルク門(Brandenburg Gate)でグリニッジ標準時午前9時(日本時間同日午後6時)にデモが始まるとすぐに、警察の命令が出され中止を余儀なくされた。

 ベルリン警察は、デモ参加者が新型ウイルスの安全規制を守らなかった場合、「即座に」参加者を排除すると警告していた。

 警察は、「何度も要請したにもかかわらず、多く(のデモ参加者)が最低限の対人距離を守っていなかった」とし、「集会を解散させる以外に方法はない」と発表した。

 これを受け、デモ隊は極右支持者らがよく使用する「抵抗」「私たちは国民だ」とのスローガンを叫び、ドイツの国歌を歌った。(c)AFP/Isabelle LE PAGE