【8月29日 AFP】オランダは28日、新型コロナウイルスがミンクからヒトに感染する懸念を受け、3年以内としていた国内すべてのミンク農場の閉鎖を2021年までに前倒しした。

 オランダ当局は、ミンク養殖場でヒトからミンクに感染したとする2件の事例を報告。感染は国内のミンク農場40か所で確認され、当局は100万匹を殺処分した。ミンクの毛皮は、高級品に使用されている。

 政府は当初、動物の権利を理由とする2016年の裁判所命令を受け、国内すべてのミンク農場を2024年までに閉鎖するよう命じていたが、来年4月以降には閉鎖しなければならなくなった。

 オランダの農業・自然・食品品質省は、「現時点で公衆衛生へのリスクは限定的だが、ミンク農場でのウイルスの感染拡大を食い止めることが望ましい」とし、「長期的に、従業員を介して農場外の人々に感染させ得るリスクがある」と述べた。

 政府は、ミンク農場の従業員に対し、補償金として1億8000万ユーロ(約226億円)を支払う。

 同国のミンク農場で初めて新型ウイルスの感染が確認されたのは4月。少なくとも従業員2人が感染し、世界保健機関(WHO)は動物からヒトへの感染として知られる初の事例である可能性を指摘していた。(c)AFP