【8月25日 AFP】新型コロナウイルスの流行が再び発生した中国北西部・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)では、厳格なロックダウン(都市封鎖)措置に対する抗議のコメントを住民たちがソーシャルメディア上に投稿している。

 新型ウイルスの感染症が最初に流行した中国では、ロックダウンや移動制限、検査の実施で国内の感染がほぼ抑え込まれたが、地域的な流行が散発的に発生している。

 同自治区の区都ウルムチ(Urumqi)では、7月中旬に再び集団感染が発生して新たな規制措置が導入されるなど、902人の感染者が公式に報告されているが、当局は今月に入ってウルムチの集団感染を「実質的に封じ込めた」と発表。また、過去8日間では新規感染者が報告されていない。

 だが、ここ数日、現地の住民数百人が、ソーシャルメディア上に開設された地元の掲示板に厳格な規制についての不満を書き込んでいる。

 中国のインターネットは厳しく検閲されているため、コメントの一部は削除される中、中国版ツイッター(Twitter)の「ウェイボー(Weibo、微博)」にある北京や上海、広州(Guangzhou)の地元掲示板で同自治区の規制に対する不満を訴えようとするユーザーも現れた。

 ネットユーザーらは、鉄のバールで封鎖された玄関のドアや、自治体職員が取り付けた錠の写真を投稿。

 あるウェイボーユーザーは「なぜ感染者が出ていない地区のロックダウンが解除されないのか? なぜ新疆全体を封鎖しなければならないのか?」と疑問を投げかけ、このコメントには数千の「いいね」が寄せられた。

「出入り口は封鎖され、労働者や生活にとって非常に不便だ。日用品は値上がりし、購入した食品の多くは消費期限が切れている」

 一部の住民は、中国の伝統薬を毎日摂取するよう当局に強いられ、服用の様子を撮影するよう要求されたと訴えている。

 ある動画には、ウルムチの高層アパートの窓から、住人数十人が絶望の叫び声を上げる様子が捉えられている。

 また、取り残された出稼ぎ労働者や大学生、出張客、観光客らも、同自治区から立ち去ることができないと不満を訴えている。(c)AFP