【8月25日 AFP】米フェイスブック(Facebook)は25日、タイ王室に関する議論を行っていた民主活動家らのグループの閉鎖を求めるタイ政府の命令に対し、法的措置を取る構えを示した。

 同国ではここ数週間、多くの人々がその合法性を疑問視する軍主導の政権と、過度の権力を持つ王室に対する怒りに後押しされる形で、若者主導の抗議デモの波が全国に広がっている。

 今年4月に開設され、メンバーが100万人を超えていた「ロイヤリスト・マーケットプレース(Royalist Marketplace)」というフェイスブック上の非公開グループは、24日に閉鎖された。

 フェイスブックは、同グループを排除するようタイ政府に「強制された」と説明。その上で、「こうした要求は厳しいものであり、国際人権法に反し、人々の自己表現能力を萎縮させる作用を持つ」と指摘した。

 さらに「わが社はすべてのインターネットユーザーの権利を保護し、擁護するために注力しており、今回の要求に対し法的措置を取る準備をしている」と発表した。

 同社は、この法的手段の詳細は明らかにしていないが、こうした要求は同社のタイへの投資力をそこなうと警告している。

 タイを離れ日本を拠点にしている活動家で、同グループを管理するパウィン・チャッチャワーンポンパン(Pavin Chachavalpongpun)氏はAFPに対し、同グループは、タイ王室の政治的役割や反対派の改革案など、王室に関する「真の議論」の場になっていたと語った。

 一方、在タイ日本大使館前では、王室派による小規模なカウンターデモが行われた。参加者らは、パウィン氏を不敬罪で裁判にかけるため、タイに送還するよう日本政府に求めた。(c)AFP