【8月23日 AFP】ドイツ東部ライプチヒ(Leipzig)で22日、新型コロナウイルス流行下で中止されている大型イベントを安全に再開できるか調べるため、大学の研究者らが2000人の観客を動員してポップ音楽のコンサートを実施した。

 ドイツの有名歌手ティム・ベンツコ(Tim Bendzko)さんが同日アリーナ・ライプチヒ(Arena Leipzig)で3回公演することに同意し、近くにあるマルティン・ルター大学ハレ・ビッテンベルク(Martin Luther University Halle-Wittenberg)の研究者らが各回で形式を変えてライブを試行した。

 感染リスクを抑えるため若く健康な志願者にだけ観覧を認め、来場者は会場到着時に検温を受けた。

 来場者は全員、FFP2規格の高性能マスクの着用と、会場での動きを追跡する電子機器の携帯を義務付けられた。また、観客がどの場所を最も多く手で触れたかを調べるため蛍光塗料入りの消毒液を使用した。

 さらに研究者らは、参加者から吐き出され、感染の原因となっていると考えられている微小なエーロゾル粒子の軌道も追跡した。

 地元メディアは主催者の発言として、4000人の観客を想定していたが実際に来場したのは2000人のみだったと報じた。

 22日に収集されたデータは数理モデルにかけられ、大型コンサート会場でのウイルス拡散リスクを判断するのに使用される。結果は秋に分かる見込み。

 コンサート主催者や、エンターテインメント・文化業界はここ数か月で多くの人が職を失っており、今回の実験結果への期待は高い。現在のところドイツは、大規模な集会を少なくとも11月まで禁止している。(c)AFP