【8月23日 AFP】テニス、ウェスタン&サザンオープン(Western & Southern Open 2020)は22日、男子シングルス1回戦が行われ、ワイルドカード(主催者推薦)のアンディ・マレー(Andy Murray、英国)は7-6(8-6)、3-6、6-1でフランシス・ティアフォー(Frances Tiafoe、米国)に勝利し、自身今季初戦となる復帰戦を白星で飾った。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による中断からの男子ツアー再開戦となる今大会は、31日開幕の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)でも使う隔離環境「バブル」の中で開催されている。

 2012年の全米オープンと2013年、2016年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)を制し、さらに五輪2大会連続の金メダルを獲得して世界ランキング1位に立ったこともあるマレーだが、現在はランクも129位まで下降し、昨年11月の国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2019)で骨盤を痛めたところにパンデミックによる中断が重なって、このティアフォー戦が久しぶりの公式戦だった。

 それでも33歳のマレーは気温、湿度ともに高いコンディションの中で2回戦へ進出し、大会第5シードのアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)との対戦が決まった。

 マレーは「きょうはよく動けたと思う。多分そこが一番うれしかったし、試合前はそこを一番心配していた」「とはいえもっと自分らしいテニスができたはずだ。最終的には良い部分もあったが、自分のテニスという点では間違いなく改善点がある」とコメントした。

 マレーも2008年と2011年に優勝しているこの大会は、全米オープンの前哨戦にあたり、例年は米オハイオ州シンシナティ(Cincinnati)で行われているが、今季はウィンブルドンをはじめ多くの大会を中止に追い込んだパンデミックの影響で、ニューヨークに場所を移して開催されている。

 今大会はアーサー・アッシュ・スタジアム(Arthur Ashe Stadium)とルイ・アームストロング・スタジアム(Louis Armstrong Stadium)は使用せず、この日マレーも試合をしたグランドスタンド(Grandstand)がメインコートとなる。

 その他の試合では、第15シードのフェリックス・オジェ・アリアシム(Felix Auger-Aliassime、カナダ)がこの日の第1試合でニコラス・バシラシビリ(Nikoloz Basilashvili、ジョージア)を6-4、6-1のストレートで下した。

 しかし、マッチポイントでバシラシビリのフォアハンドがネットにかかって勝利が決まったものの、一緒に喜ぶファンがいない中で、オジェ・アリアシムはどう反応したらいいのか困っている様子だった。いつもなら勝利後は客席へボールを打ち込むオジェ・アリアシムだが、この日は「コーチにボールを投げたよ」と話している。

 同じカナダの第12シード、デニス・シャポバロフ(Denis Shapovalov)は最終試合で全米オープン優勝経験者のマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)相手に6-3、6-3で快勝した。

 女子シングルスでは、第16シードの20歳、ダイアナ・ヤストレムスカ(Dayana Yastremska、ウクライナ)が四大大会(グランドスラム)優勝7回のヴィーナス・ウィリアムス(Venus Williams、米国)を5-7、6-2、7-5で退けた。

 ヴィーナスとこれが初対戦のヤストレムスカは、4-2とリードしたところから足首をひねって最初のセットを落としたものの、患部をテーピングで固めた後に2セットを連取し、逆転勝利を収めた。

 ヤストレムスカは「痛みがひどくて、本気で棄権しようかと考えた」「だけどヴィーナス・ウィリアムスとの対戦なんだから、痛いけどどうしても最後までやりたいと思った」「勝ち負けの問題じゃなくて、痛みがある中でも全力を尽くす必要があった」とコメントした。

 第13シードのマリア・サッカリ(Maria Sakkari、ギリシャ)は米国の16歳、コリ・ガウフ(Cori Gauff)に6-1、6-3で勝利。次も勝てば3回戦でセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)と当たる可能性がある。(c)AFP